へそで茶を沸かす〜お腹で声を出すこと〜
こんにちは!
トレーナーの竹本です。今日も走っております。
さてさて、『お腹から声を出す』という言葉、皆さん一度は聞いたり言われたりしたことがあるのではないでしょうか。
言葉を直接的に受け取れば、おへその辺りから声が出ていることになります。それはまさに『へそで茶を沸かす』ような事態になってしまいます。習い始めの生徒さんからもよく『お腹から声を出すというのがわからない』と言われたりもしますが、伝統的な表現の仕方ですよね。
その昔、『天使にラブソングを2』という映画の中で、ウーピー・ゴールドバーグ扮するシクター・メアリーことデロリスは、生徒たちに「From the Diaphragm!(横隔膜から!)」と呼びかけるシーンがあります。イメージの発想はどの国も似ているのかもしれませんね。
前回までのお話に出てきていた『腹式呼吸』は『横隔膜』使った発声とも言われますが、これはこれで誤解があります。胸式呼吸であれ横隔膜は動いています。横隔膜は不随筋(心臓と同じく自分の意識下では動かせない)なので、胸式呼吸であれ無意識に必ず動いているはずです。(これを語り出すと長くなるので、また別の機会にしておきましょう。笑)
呼吸をつかさどる筋肉群には、主に吐く(呼気)時に動く筋肉と、吸う(吸気)時に動く筋肉とに分かれます。
横隔膜は主に息を吸う時に動きます。息を意識的に吐く時に動いてくれるのが、内肋間筋や、腹直筋・腹斜筋などのお腹周りの筋肉群です。
そう、吐く時、つまり声を出す時に意識して動かせるのが、『お腹』なのです。
ここまでくれば、『お腹から声を出す』とは、要は『腹式呼吸を使って声を出す』ことであると、簡単に想像できると思います。ですが、そのことの意味をしっかりと伝えずに『お腹から声を出す』という言葉を当たり前のように使ってしまっているトレーナーや学校の先生たちも、とても多いようにも思います。
では、腹式呼吸で声が出せればそれで『お腹から声を出す』ことになるのでしょうか。
実はそうではありません。腹式呼吸はその最初のステップに過ぎないのです。
次のステップは、また次回お話していきましょう!