目指せ天竺〜ノドヲヒラク〜
こんばんは!
久々の外出(花粉症の通院)なのに突然の大雨で靴の中までグショグショになった、トレーナーの竹本です。笑
さて、前回は『お腹から声を出す』というのは、腹式呼吸だけできていればいいのか?というところで終わっていました。
(気になる方は前回のブログをチェックしてください。)
もちろんそれだけでは非常に不十分です。
歌の世界では『お腹から声を出す』と同じぐらい使われる、『喉を絞めない』『喉を開く』といった表現があります。
いくらポンプ(お腹の周り)がよく動くようになっても、パイプ(喉)の通りが悪くては上手く水(声)は流れ出てはくれません。
そんなイメージの言葉です。
じゃあ、『喉を開きましょう!』っていわれても、これは『お腹から声を出しましょう!』というのと匹敵するぐらい理解するには難易度の高いことです。
平たくいえば『喉周りに力を入れて声を出さない』ことなんですが、『力が入ってる!』と実感のある人はまだしも、全く無自覚の人もいるので、これは長い道のりです。苦笑
では、何故、喉を絞めてはいけないのか?ということを考えてみましょう。
声を出す時に動く筋肉群はたくさんあります。
内喉頭筋、外喉頭筋、声帯筋やら、喉頭の引き上げ筋や引き下げ筋という分類すら存在しています。
これって意識して動かせるの?って疑問に思う方もいるかもしれません。鋭いです。
随意筋(意識下で動かせる筋肉)と分類されるものは僅かで、ほとんどが自分の意識下では動かすことができません。随意筋をといわれる内喉頭筋ですら実質的には意識下でのコントロールは難しいといわれます(半随意筋ともいわれる)。とはいえ、人間は声を出す、声の高さを調整するなどの時に、これらの筋肉を一気に連動させて様々な声を出していくのですから、とても不思議なものです。
先ほどもお話ししたように、声を出す時はたくさんの筋肉たちが動くのですが、この首回りには当然ながらその筋肉群が集中しています。
この辺りが過度に緊張状態にあるということは、『俺たちはこう動きたいぜ!』といっている筋肉たちの動きを邪魔していることになります。あなたが『頑張らなきゃ!』と力込めて声を出すと、喉の筋肉は自由を奪われ、逆に思うように動けなくなってしまうのです。
仮に自覚症状がない人であっても、明らかに喉に力が入っている人は見ただけで分かります。
分かりやすいのは『声を出した時に首の辺りが筋張ってしまう』ような人です。こういう人は特に要注意です!喉たちの自由を奪ってしまいます。
更に『喉を絞める』『力んで声を出す』ことで、喉の中の声が響く空間も狭くなり、あまり響かない薄い声になってしまいます。
(この『共鳴』のお話はまた別の機会に!)
なんとなく、喉を絞めちゃいけない(力んじゃいけない)理由はイメージできてきたでしょうか?
『過度の緊張をさせない』ということがとても大切になってきます。
かく言うこの僕も、昔はどうしても力んで歌ってしまって、高い声は出ない、すぐに声が枯れるなどの無限の苦しさの中にいました。
当時は『声を出すこと=疲れること・頑張ること』でしたが、トレーニングを重ねていくと楽園のような別の世界がありました。笑
では、喉を絞めないためには、どうすればいいのか??
いくつかポイントはありますが、やはり『呼吸』が大きく絡んでいます。
腹式呼吸で必要且つ適切な息の量をしっかりと送り込めるかにかかっているのです。しっかりと腹式呼吸で声を出すということを、身体に覚えさせるのが最大の近道です!
ここでも出てきてしまいましたね、『呼吸』。笑
やはりこいつをどうにかしなくては歌の上達はなさそうです。
『お腹から声を出す』と『喉を開く(絞めない)』はセットで初めて真の意味の『お腹から声を出す』になります!
千里の道もなんとやら、先は長くてもきっと楽園のような別の世界が待っていると思うと、天竺を目指す三蔵法師と孫悟空たちの旅路のように少し希望が持てませんか?
一緒に天竺を目指しましょう!