ON-CHI 〜音痴とは〜

こんにちは!
トレーナーの竹本です!

歌の悩みというのは無限にありますが、よく相談を受ける悩みというのは、だいたい決まっています。
その中の一つに「音痴をなおしたい」というものがあります。
過去の生徒さんの中には、子供の頃に「あなたは音痴だから子供ができても子守唄を歌っちゃいけないよ」なんてことを学校の先生に言われて、それがトラウマになって歌が歌えないといったご年配の方もいました。今思い出しても悲しい話です。

トレーナーの間では絶対に使ってはいけないNGワード。
世の中では当たり前のように使われていますし、自分のお子さんにその言葉を使っている場面を見ると、胸が痛くなります。

イラスト@いらすとや

この「音痴」という言葉。
音程が正確に取れず調子はずれになる歌でいういわゆる「音痴」や、リズムが調整できない「リズム音痴」など、様々な使われ方をします。
それでは、そもそも「音痴」とは一体なんなのでしょうか?

「音痴」とは、正式には『先天的音楽機能不全』と呼ばれ、大脳の働きの問題で特に音楽的な能力だけが劣っている状態のことをいい、更に以下の2種類に分けられます。

  • 音楽の認知,理解,記憶に障害があり、音高やリズムの感受そのものが不可能な状態の『感覚性音痴』
  • 音高の連続的変化のパターンを組み立てる運動統合中枢に支障があり、歌うと調子外れになる『運動性音痴』

我らがウィキペディア様なんかには、かなり噛み砕いて解説があります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/音痴

「先天的」という呼び名が付いていますが後天的な要素もあり、医学的には解明されていないというのが実情のようです。
こうやって書かれると、とても致命的なもののように感じてしまいますが、果たしてどうなのでしょうか?

もちろん改善が困難なケースも存在していると思いますが、レッスンに於いては時間はかかったとしても改善しなかったケースはほとんどありませんでした。「ほとんど」と書いたのは、諸々の事情でレッスンを続けられなかったり、改善を前にご自分で諦めてしまったケースもあるからです。

音が上手く取れない原因は人様々です。

音を聴き取る力の弱い人には、聴き取る練習を。
音と音の隔たり方の分からない人には、その感覚を養う練習を。
声域の狭さや発声が問題になっている人には、基礎からのボイストレーニングを。
テンポからズレてしまう人には、リズムトレーニングを。

などなど、その人の原因になっていることをトレーナーが的確に判断して提案していくことが、とても大切になっていきます。
トレーナーの手腕にかかっていますね。笑

それぞれの問題が解決していければ、度合いやスピードは人それぞれですが、改善に向かっていきます。共通して言えることは、改善には大抵の場合「時間がかかる」ということです。音感などの刷り込みは、地道な積み重ねが必要なものなので時間はかかります。そのスピードを上げるとするなら、それは本人の練習量です。

太く短くも良いですが、細くでも長く、諦めずに取り組んでみてください。

中には「自分は音痴だ!」と思い込んでいる人もかなり多いので、そういう人は逆にあっという間に改善されますよ。笑
元々そうではないのですから、「自分は取れない!できない!」という呪縛が解ければ、自分本来の能力にも目覚めていきます。
高い声のトレーニングなんかでも、実は同じことが言えます。

世の中には確かに「音痴(先天的音楽機能不全)」といわれる状態が存在しています。それに悩まされたり辛い思いをしてきた人も大勢いらっしゃることでしょう。
仕方ないと諦める前に、改善できるかもしれないという可能性にチャレンジしてみてはどうでしょうか?
悩みから解放されて、きっと歌うことが楽しくなっていきますよ!

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更新情報[2020.05.10]